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真砂村：紀伊続風土記（現代語訳）


真砂村　まなご

　田畑高　４７石５斗６升６合
　家数　　２１軒
　人数　　７８人

北郡村の艮（※北東※）１２町にある。栗栖川の添って村居する。熊野古道である。栗栖川はこの地に至って水底に小石が多い。ゆえに舟便がこの地より上流では通じない。川筋は昔と今とでも大いに変わり、昔の川原の地は今、田畠となったので、田畠に川原石が尤も多い。真砂の名はその川原の石から起こったのであろう。

村の墓所に応永１８年の古い墓がある。妙心禅尼とある。どんな人か詳らかでない。また村の端の栗栖川の岸に船つきという所がある。滝尻王子社（芝村領にある）より１０町ばかり川下である。土地の人が伝えて、古、熊野往還であったときの渡口であったという。

　　熊野の観光名所：滝尻王子

○八幡森　　境内山林周１１６間
村の寅卯（※東北東※）の方１町余りにある。１村の産土神である。社殿なし。

○荘司ガ淵
村の南、栗栖川の淵である。真砂荘司の宅地がその辺にあったという。淵の辺の岩の上に荘司松というのがある。また城の屋敷という所がある。その辺の字に大門、射場の段などの名がある。日高郡の道成寺の縁起に真砂荘司の女のことを載せる。この地は古の熊野往還なのでかの縁起のこともあったのだろうか。

　　熊野の説話：安珍清姫の物語

○旧家　　　真砂氏
真砂荘司の後裔であるという。村の中の旧家であるので真砂を氏とするのであろう。

和歌山県田辺市中辺路町真砂

読み方：わかやまけん たなべし なかへちちょう まなご

郵便番号：〒646-1415

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牟婁郡：紀伊続風土記