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本宮村:紀伊続風土記(現代語訳)


本宮村 ほんぐう

熊野本宮大社

四村荘請川村の北西18町にある。社家は村の中に住み、村の中の大半がみな神宮に奉事する家で自ずから市街をなし、岩田町・本町・新町・鳥居地上町などの名がある。みな往還一条の町で、すべての長さは9町半である。
  熊野の観光名所:熊野本宮大社
  熊野の観光名所:熊野本宮大社旧社地「大斎原」

この村、古は音無の里という。音無川が村の中を流れて村居は川に沿う。音無の里は古歌がある。北東、中辺路を通って伏拝村まで1里である。(略)

鑰取明神社  村の中にある。

常福寺  大徳山 禅宗臨済派無本寺
医王寺  禅宗臨済派無本寺、2寺ともに上町にある。

極楽寺  禅宗臨済派無本寺、音無川筋にある。

光明寺  禅宗臨済派無本寺
西福寺  禅宗臨済派無本寺、2寺ともに小名上地という所にある。

大智庵  禅宗臨済派無本寺
横町の上にある。当村の寺はもとはみな本宮支配の寺である。本宮が唯一神道となってから諸寺はみな村の支配となり、自ずから無本寺となったのだ。

七越峯
川の向かい四村荘高山村との境の峰である。山上に備宿という所がある。修験者の行所で、玉置山からの二の宿である。備宿は役行者の千日修行の地と言い伝える。
山家集  熊野へまいりけるに ななこしの峯の月を見てよみける
 立登る月のあたりは雲晴れて 光かさぬるななこしの峯

七越の峰
  熊野の観光名所:七越の峰
  熊野の観光名所:玉置神社
  熊野の歌:西行法師

音無川  音無里 音無山
三越村小名道川という所より流れ出て一本松村を経て本宮村に至って熊野川に落ち合う。音無里はすなわち今の本宮村である。音無山は広くこの辺りの山をいう。いずれも古歌が多い。 続きを読む
  熊野の歌:音無川・音無の里

岩田川
村の南の小谷をいう。熊野川に落ち合う。

巴淵
熊野川・音無川・岩田川の3つの川が合流する所をいう。
  熊野の歌:熊野川

音無梅
村の中で社家の音無里見という者の家の庭にある。八重の白梅である。昔、後鳥羽院の御幸のとき、人夫が歌を詠んだことを言い伝える。 続きを読む
  熊野の説話:謡曲「巻絹」

真名井
本宮の社の西3町ばかり。小塩山の下にある。あるいは小塩井ともいう。御炊の井である。天忍穂井の意味か。社家の者が社役を勤める始めにここで行を修すという。いま閼伽井という。これは後世、山伏の行所として名づけたのだろう。井の辺りに水神の石殿がある。またそばに薬師堂がある(本尊作知れず。あるいは行基の作という一説に田村将軍の開基。頼朝卿の姑鶴原禅尼再興の地であるというが詳らかでない)。

真名井社
  熊野の観光名所:真名井社
  熊野の説話:新宮のもののけ姫、丹鶴姫

ちごら石
音無川の上の山中にある。縦4間横6間の石である。真ん中に乳の形が2つある。乳の少ない婦人が立願すれば自然に乳が出ると言い伝える。

ちちさま
おっぱい岩 / ketunori
  熊野の観光名所:ちちさま

御前津
熊野川の本宮社殿の前をいう。往古、役行者が備崎で千日修行のとき、本宮へ社参する。本宮の者は無銭で舟を渡したとのこと。これによりその法を修する者は今に至るまでその報恩のために1人に12銭ずつ渡し銭を出すのを例とする。聖護院・三宝院の両門跡の入峰の節も渡し銭を出すのを例とするという。右らのことにより新宮へ下る旅人の乗船も今だ当村より出すのを古い習いとなして来た。
  熊野本宮大社旧社地「大斎原」の石積護岸

和歌山県田辺市本宮町本宮

読み方:わかやまけん たなべし ほんぐうちょう ほんぐう

郵便番号:〒647-1731

田辺市本宮町の観光スポット宿泊施設



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牟婁郡:紀伊続風土記