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楊枝村:紀伊続風土記(現代語訳)


楊枝村 ようじ

三村郷和気村の乾(※北西※)18町にある。この地は古、大柳樹があったと相伝える。高さ14丈、枝葉は川を覆い、日足村の貝持岩の辺まで枝を垂れていたという。ゆえに楊枝の名がある(京の三十三間堂の棟木にその木を用いたというのは誤伝である)。

大上宮  境内森山周50間
村中にある。いずれの神を祀るかは詳らかでない。また地大大上上宮ともいう。大将軍の転か。しかしながらこの辺に大将軍社というものがないので別神か。三村郷和気村にも大上宮がある。

浄楽寺  医王山 禅宗曹洞派新宮城下全龍寺末、
村中にある。慶長年間に長訓という住僧がいた。そのことは詳らかに花井村の長訓屋敷の条に載せる。

薬師堂
浄楽寺境内にある。同寺が支配する。

文安元年の棟札がある。「当寺は熊野山五ヶ村中の氏寺なり、昔、浅里領の飛鉢峰において専念住持創建の道場なり、久しき年序を経るの間既に𣏓壊に及び畢んぬ、ここにおいて楊枝の住侶西心入道、五ヶ村中の助成を以て彼の本尊を揚枝の岡の地の移して而して堂宇を建立あい本尊を安置するものなり、委細に旧記に見ゆ、この在所にて一百二十余歳の星霧を経てその後五ヶ村中の衆議を以て応永十八歳仲冬のころ堂舎、二尊をこの在所に移し奉る、末代群生を済度するための霊場矣、既に造替といえども未だ修営周備の功を途げず、ここに文安元年甲子の春夏の間悉く造らしめ畢んぬ、同年仲冬十五日申時上棟祝を成し同日成時本尊を殿内に奉るものなり、造営同上棟等の経費併せて五ヶ村中の御沙汰なり」とある。

飛鉢峰は浅里村にある。

楊枝薬師堂
  熊野の観光名所:楊枝薬師堂

三重県熊野市紀和町楊枝

読み方:みえけん くまのし きわちょう ようじ

郵便番号:〒647-1325

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牟婁郡:紀伊続風土記