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本宮 牛王:紀伊続風土記(現代語訳)


本宮 牛王

熊野牛王

朝廷官府及び庶民に至るまで、いま誓詞を書くものは熊野三山の印紙を用いるのをしきたりとしている。年中行事の中修正会のとき神前にて牛王宝印を紙に押すことがある。熊野牛王というのがこれである。このことはいつの頃から始まったか正しい伝がない。『東鑑』に諸寺諸社の牛王に誓文を書くことも見えているので、熊野に限ったことではない。ある説に牛王は如来の一名で、その印紙は国家穣災万姓除疫の祈禱の符であるといっている。しかしながら古書に見えるのはみな誓紙なので、その義のみとはいい難い。
  熊野を知るためのキーワード:熊野牛王宝印

中世、僧徒らは須佐之男命を牛頭天王と称していった。この神と天照大御神とが誓約されたことが記紀に見えて、これを誓約の始めとすれば、その霊すべて誓約のことをお護りになるので、その神名の牛頭天王の字の首尾を取って牛王といい、そこで誓紙に印したのであろう。その後、如来の異名の牛王と混じて誓紙のみならず、国家穣災の符ともしたのであろう。いま京都祇園社にもこのことがあるので、古く祇園から起り熊野も須佐之男命を祀っていることから祇園に準じてこの符を出すこととなったであろうか。熊野牛王にカラスを書くことは、神武天皇を導き奉った八咫烏の故事から起こってカラスを熊野神の使いといい伝えるゆえであろう。
  熊野の説話:神武東征、ヤタガラスの導き

和歌山県田辺市本宮町本宮1110

読み方:わかやまけん たなべし ほんぐうちょう ほんぐう

郵便番号:〒647-1731

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牟婁郡:紀伊続風土記