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浜ノ宮村:紀伊続風土記(現代語訳)


浜ノ宮村 はまのみや

熊野三所大神社

天満村の艮の方(※東北※)7町余りにある。村の巽(※東南※)吹浦の海湾を隔てて勝浦村に対し、東は狗子川村と土橋を堺とする。村の中に王子社があることから村名が起こった。『寛文記』には渚ノ宮村とある。
  熊野の観光名所:熊野三所大神社
  熊野古道:中辺路「那智駅→熊野那智大社」

浜宮  境内周370間  禁殺生
 1社3扉 彦火火出見尊・天照大御神・大山祇神
 末社 三狐神   石宝殿
    丹敷戸畔祠 石宝殿
  籠所 拝殿礎
村の中にある。那智山の末社である。祭神は『寛文記』には熊野三所権現とある。同記の一説に錦浦大明神伊豆箱根両所権現とある。いまだいずれがこれであるのかわからない。また王子社ともいう。

熊野三所大神社
  熊野の観光名所:熊野三所大神社
  熊野の観光名所:熊野那智大社

『平家物語』に維盛入道のことを記して、三の御山(※熊野三山※)の参詣を事故なくついにお遂げになったので浜ノ宮と申し奉る王子の御前より一葉の船に棹さして万里の蒼海にお浮かびになるとある。これがすなわち当社である。
  熊野の説話:平家物語9 平維盛の熊野詣
  熊野の説話:平家物語10 平維盛の入水

古はこの地はことごとく社地で民家もなかったが、後世村居して当社を産土神と称した。その後、故あって丹敷戸畔を産土神としたことは下文錦浦の条で弁ずる。『藻塩草』当国の部に渚宮とあるのはすなわち当社であろう(『寛文記』に当村を渚之宮村としてある)。

夫木抄  水鳥夜遊     源仲正
 夜もすがら沖の鈴鴨羽ふりして 渚の宮に□ねつゝみう□

補陀洛寺

○千壽堂は王子権現の本地堂に準ずという。『寛文記』に比丘尼山伏の本寺として修理するとある。今、新宮より仏供料として高5石寄付した。また那智社領のうち9石を分つという。

了心寺  喝勝山 禅宗臨済派海部郡由良興国寺末、村の中にある。

頓宮跡
王子社の巽(※東南※)にある。

錦浦
村の南の海浜、12、3町ばかりの地をいう。潮崎荘の二色、長島郷の丹敷、みな海湾である。当浦もまた湾をなして共に錦の名があるのか。『日本紀』に載っている所の丹敷浦をこの地にしようとして、この浜を赤色(あかいろ)というより中世好事の者が名付けたのであろう。『寛文記』にもこの名が見えているので古くから牽強したのであろう。丹敷戸畔祠を王子社の境内に建てたのもみな後の牽強である。丹敷戸畔を誅したのはこの地ではない。詳しくは曽祢荘論に見える。

山成島  赤色浜
村の東南にある。
『平家物語』十巻に、
三の御山の参詣を事故なくついにお遂げになったので浜ノ宮と申し奉る王子の御前より一葉の船に棹さして万里の蒼海にお浮かびになる。遥か沖に山成島という所がある。それに舟を漕ぎ寄せさせ岸に上がり大きな松の木を切って、中将は銘跡を書き付けられた。祖父太政大臣平朝臣清盛公法名浄海、親父内大臣左将軍重盛公法名浄蓮、三位の中将維盛法名浄円、生年27歳、寿永3年3月28日、那智の沖にて入水す」と書き付けて、また沖へ漕ぎ出しなさる。(中略)声高に念仏を100遍ほど唱えつつ、「南無」と唱える声とともに、海へお入りになった。兵衛入道も石童丸も、同じく御名を唱えつつ、続いて海へ入った。
と見える。
  熊野の説話:平家物語10 平維盛の入水

土地の人が伝えるには、維盛は村の東6町ばかりの海浜赤色浜の沖で入水したというのは偽りで、じつは山成島に上がってそれより色川郷の大野村に隠れたという(浜宮より出船して山成島に上がりそれより太地身洗浦にて上陸して色川郷に至ったのであろう。維盛の子孫のことは色川郷口色川村に見える)。『平家物語』に浜宮王の御前というものはすなわち赤色の浜で、その名は異なるがその実は一である。

橋爪坊屋敷
村の北3町、山の上にある。橋爪坊は那智の社僧である。

廊之坊屋敷
村の北の方2町ばかり、勝山という所にある。橋爪坊の屋敷跡に続いた。廊之坊は天正の頃、新宮の堀内安房守と戦って討死する。その裔が今、那智の社僧にある。

酒迎場
村より5町寅の方(※北東微南※)にある。那智山に詣でた者を那智山より迎えた所であろう。

那智浜
当村の海浜を広く呼ぶ名である。

那智海水浴場
  熊野の観光名所:那智海水浴場

    喜多院入道二品親王家五十首眺望  皇太后宮太夫俊成
夫木抄
 はるかなる那智の浜路を過てこ□ 浦と海とのはては見えざれ

濁川
村の中にある。この川では古くは往来の巡礼者に関銭というのを出させたという。

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮

読み方:わかやまけん ひがしむろぐん なちかつうらちょう はまのみや

郵便番号:〒649-5314

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牟婁郡:紀伊続風土記